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記事2001年2月3日 3号 (1面) 
都道府県私学主管部課長会議
私学助成の充実を要請
“個性的な私学”が増える気運
 文部科学省は一月二十五日、東京・九段の日本私立学校振興・共済事業団九段事務所講堂で平成十二年度二回目となる都道府県私立学校主管部課長会議を開催した。この会議は同省の進めている教育改革や平成十三年に実施する事業、予算措置などを各都道府県の私学主管課に説明し、協力を要請するためのもの。
 会議では、初めに石川明私学部長が私学教育をめぐる教育改革の動向や平成十三年度の私学助成予算などについて説明した。
 この中で石川部長は、来年度の私学助成予算に関し、文部科学省の一般会計の予算が対前年度で一%増にとどまった中で、私立高等学校等経常費助成費補助が七・二%伸びたことに触れ、「たいへん大幅な増額となった」とし、各都道府県でも私学助成の大幅増額を要請した。
 また同省が現在進めつつある教育改革に関しては、今後、公立学校では教職員の定数改善などによる教育の改善が進むこと、また教育改革国民会議の提案から“小さくても個性的な私学”を増やしていこうとの気運も高まっていることなどを指摘。
 そうしたことから今後、公私立学校全体の中で競争関係が強まり、改善の努力を怠った学校は厳しい状況に立たされるとの見通しを明らかにするとともに、私学の改善の努力が、公教育全体の底上げにつながるとして、私学関係者の更なる奮起に期待を寄せた。
 その後、私学二課、参事官(旧学校法人調査課)をはじめ同省の各課から所管事項に関する説明等が行われた。
 私学部関係では村田直樹私学行政課長が、十三年度税制改正の概要、規制緩和の動向、個人情報保護に関する政府の取り組み、PCB使用照明に関する注意喚起、学校法人の政治献金の規制などを取り上げた。このうち税制改正に関しては、さらに多くの学校法人が税制面で優遇される特定公益増進法人となり、外部資金の導入を進めるよう学校法人への支援を各都道府県に要請した。
 個人情報の保護に関しては、通常国会に関連法案が提出されることから、私立学校でも個人情報保護に向けた一層の取り組みが必要とした。
 続いて山根徹夫私学助成課長は、平成十三年度の私学関係予算案の概要を報告したが、その中で私立高等学校等経常費助成費補助については、過去最高となる九百二十二億五千万円を計上、また私立高等学校等マルチメディア教育環境整備事業に関しては前年度比三七%増の九億二千五百万円を計上したことなどについて説明があり、私立学校の情報化に特段の協力を要請した。このほか、補助金の申請書類等に関しては今後、情報公開の対象となりうること等の説明があった。
 さらに伊藤洋一参事官は、学校法人における管理・運営の適正化、会計基準、財務関係書類の公開、私学を取り巻く経営環境に関する施策等について説明した。
 このうち学校法人の管理・運営に関しては、私学全体の信頼を損なわないためにも不適正な事例が生じないよう未然の防止に努めることを各都道府県に要請した。また財務関係書類に関しては、助成金等を受けている以上、説明責任があるとして、公開に向けた指導を要請した。
 このほか私学を取り巻く経営環境が厳しくなっていることから、私学経営の充実・強化のための方策について、平成十二年度から調査研究を進めていることを明らかにした。
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