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記事2001年2月23日 5号 (1面) 
教育改革関連二法案を国会提出
教員定数、社会奉仕活動など
20人授業実施へ
基金設立し体験活動を支援
 文部科学省は二月九日、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案」と「独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法の一部を改正する法律案」の二法案を国会に提出した。これらは昨年十二月の教育改革国民会議最終答申を受け同省が提出を予定していた教育改革関連六法案のうち予算措置を伴うもの。前者は公立学校での基礎学力の向上ときめ細かな指導ができるよう少人数指導等を可能とするもの。一方、後者は同センターに「子どもゆめ基金」を設立し、青少年団体等の体験活動や読書活動に助成金を交付するなどの事業を行うもの。

短時間勤務教員の任用も

 「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案」は、いわゆる義務標準法のほか高校標準法、義務教育費国庫負担法、市町村立学校職員給与負担法、養護学校特別措置法、地方教育行政法等を改正するもの。
 改正内容は、大きくわけて(1)第七次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画(平成十三年度―十七年度の五年計画)(2面に関連表)に基づく教職員定数の改善(2)学級編制基準の弾力化(3)公立学校における再任用短時間勤務教職員の活用(4)公立義務教育諸学校における非常勤講師の活用(5)その他、からなる。
 このうち(1)は、教科等に応じ従来の学級単位とは異なる少人数の学習集団による指導のための教員加配措置を新規に設けるもので、国語、数学、英語など基本教科について二十人程度の授業を可能にする。第七次計画によって教員一人当たりの児童生徒数は小学校で十九・三人から十八・六人に、中学校では十六・七人から十四・七人に改善され、欧米並み水準を実現する。また教頭の複数配置拡充、きめ細かな学習指導や情報化支援等のため事務職員の加配などを行う。高校についても少人数指導・習熟度別指導等に向け教職員定数を改善する。
 (2)は、学級編制に当たって国の制度の基本は維持しつつ、都道府県教育委員会の判断により、国の標準(四十人)を下回る基準を設けられるようにするもの。(3)は公立学校に十三年度から新規導入される「再任用短時間勤務職員」を置く場合には、常勤の教職員定数を活用できるようにするもので、(4)は非常勤講師を常勤の教員定数を活用して配置できるというもの。非常勤講師の報酬等については都道府県が全額を負担、国がその二分の一を負担する。これらは総合的な学習をはじめとする多様な教育活動の展開に備え、フルタイムの教員に代え機動性の高い短時間勤務教員を任用するものだ。
 (5)は、公立高校の設置主体を人口や財政能力などで限定している規定(高校標準法の)を削除するもの。
 一方、「独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法の一部を改正する法律案」は、同センターに「子どもゆめ基金」を設けて、科学少年少女派遣事業等の実施(主催事業)、自然体験活動、職場体験活動、奉仕体験活動、科学技術体験活動、スポーツなどを通じた交流体験活動など青少年団体等が行う体験活動を支援する事業(助成事業)、市民グループ等が行う読書会などへの支援事業(助成事業)、子ども向けの良質なソフト・コンテンツの開発・配信・配布事業に対する助成事業等を行う。
 文部科学省の平成十三年度予算案には同センターにおける基金造成として百億円、運営費交付金として二十億円が計上されている。基金造成では民間からの寄付金も活用する。
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