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記事2001年2月13日 4号 (9面) 
新校長インタビュー (17) ―― 大成高等学校
校長 小柴 忠正 氏
常に日本文化を原点に
豊かな国際性、自他共生


 大成高校(東京都三鷹市)。小柴忠正校長は同校が新制度になってからの中学高校の卒業生だ。四十一年間にわたって国語の教員として教壇に立ってきた。
 同校は「和魂洋才」、すなわち「豊かな国際性をもちつつ、常に日本文化を原点として大切にする」を建学の精神に掲げる。この建学の精神の下、「自主自律」「質実剛健」「自他共生」「道義尊重」「国際感覚」の五つを教育目標にしている。
 小柴校長は「この中で、私が最も重視していることは、『自他共生』です。この意味は、自分を大切にし、同じように他人も大切にすることです」と説明する。この具体的な表れとして、小柴校長が常々生徒に呼び掛けていることは“あいさつのできる人であれ”ということだ。
 「あいさつは、こちらが心を開いて相手に接し、認め合う行為です。この意味でも、これからの学校は人と人とが直接触れ合える場所として、さらに重要な役割を果たしていくと考えています」
 重要なのは、教員だ。
 「教員にとって教える技術も大切ですが、人間性を豊かにしてほしいと思います。教員のひと言でさえ生徒にとって大きく影響することがあるからです」
 人間味あふれた教員が分かりやすい、面白い授業を行えば、生徒が達成感を味わい、これが生徒にとって自信につながると言う。
 教育目標の中でもう一つ重視するのが、「国際感覚」だ。
 「今後は国際感覚を磨く機会を増やしていこうと思っています。本校はこれからも変革していく可能性を秘めた要素を持っています」と小柴校長は語る。
 十二年度から設けられた情報コースは充実している。従来のパソコンを新機種に替え、コンピュータ教室も増設する。情報関連の資格、例えば情報処理検定を年一回、ワープロ実務検定を年二回実施している。また十三年度から特進コースもつくり、今まで以上に進学面に力を入れていく方針だ。
 「囲碁には“駄目”という言葉があります。価値がない部分のことですが、行動の結果が駄目でも駄目が残るところに意味があります。生徒も教師も失敗を恐れずに、挑戦していくべきです」と熱く語る。
 校名の「大成」は「大器晩成」に由来するもので、大きな夢を持ち、その実現に向かって進むという意味合いが込められている。
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