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記事2001年12月3日 31号 (7面) 
新校長インタビュー (39) ―― 目黒星美学園中学校高等学校
校長 牧田 トミ氏
福音的価値観に立って
共に生きる人間を育成


 目黒星美学園中学校高等学校(東京都世田谷区)の教育には、「子ども主体」という創立からの精神が根幹に流れている。牧田トミ校長(理事長兼任)はこの精神を継承し、現代的に適応させるように努めている。
 「生徒一人ひとりが神から与えられた、比べられないものを持っています。それをどのように伸ばすかを考えなければなりません」
 同校では「心の教育の実践」と「進路希望の実現」の二つを柱の中心に置き、カリキュラムや行事を組み、最終的には自己実現を目指している。
 「福音的価値観に立ち、『.共に生きる』人間を育成することが教育の要点で、ボランティアなどもこの点を視野に入れて考えていきたい」
 具体的には、(1)グローバル化社会の一員として、さまざまな問題をグローバルな視点からとらえることのできること(2)自己に責任を持ち、共同して働くことができること(3)各国の文化的相違を理解し、その違いを受け入れることができること(4)物事を平和的に解決できる意志と能力を持つこと(5)環境保全のために自己改革できることこれらのできる人間を育てることを目標にしている。
 このような目標の下に、カリキュラム、学校行事、総合的な学習などを通して全人教育を行っている。
 カリキュラムについては、月一回、土曜日に学校行事を組み入れる形で、しかもほかの教科の授業時間数を減らさずに学校週五日制の問題の解決を図った。これは「私学ミッション・スクールとしての存在意義の一つである学校行事をなくすことができない」という考え方に基づいて、同校が平成五年からさまざまな実験を試みてきた上で出した結論である。
 また、各生徒の進路希望に応えるために学力アップを考え、高校二年から文、理系のコースに分かれる。しかも人格的に偏らないようにするために、例えば、文系コースの生徒でも理系の教科を学ばなければならないように工夫している。
 教師自身の意識改革を図るために四月から目標をつくり、自己研修を充実させるように試みている。教師は自己の姿勢を生徒に伝えるように努力し、取り組み方も変わってきたという。
 来年度から中学三年で教科「情報」を導入するが、コンピュータはあくまでも道具で、基本は物事に対する判断力、倫理的な考え方を身につけさせていく。これも全人教育の一環という。

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