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記事2001年12月23日 33号 (1面) 
私大の受託研究収入
全額非課税に税制改正で決定
与党3党等
 自由民主党、公明党、保守党の与党三党は十二月十四日、財務省は十二月十九日、それぞれ「平成十四年度税制改正大綱」を決定した。それによると私立大学関係者、文部科学省が要望していた「私立大学の受託研究収入に係る非課税措置の創設」が認められた。
 これは私立学校法第三条に規定する学校法人で大学を設置しているものが、企業等その他の委託に基づいて行う研究(受託研究)に係る事業について、(1)その実施期間が三カ月未満である受託研究(2)その受託研究に係る契約又は協定において、当該研究の成果の帰属及びその公表に関する事項が定められていないもの、を除いて、課税対象となる収益事業の「請負業」の範囲から除外する、つまりは非課税とするというもの。
 これまでは企業等からの受託料収入のうち受託研究のために支出したと認められた経費を除いた額については利益とされ課税されていた。来年度からは受託研究収入全額が非課税となる。国公立大学の受託研究収入はすでに非課税。日本私立大学団体連合会のまとめによると、平成十一年度の場合、私立大学の受託研究収入の総額は百八十七億四千万円、そのうち税務上受託研究のために支出したと認められた経費は百六十四億九千万円、税務上利益とされた額は二十二億五千万円だった。この二十二億五千万円の半額(利益の五〇%はみなし寄付金として非課税)が法人税(税率二二%)の課税対象となった。そのため今回の全額非課税化で減税となる見込み額は二億四千八百万円。
 平成十一年度における私立大学の受託研究受け入れ件数は一万一千百七件。
 文部科学省は今回の措置で私立大学の研究受託意欲の高まり、産学官連携の一層の推進、我が国の研究開発能力、産業技術力の向上・強化の効果が期待できるとしている。

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