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記事2001年12月13日 号 (7面)
新校長インタビュー (40) ― 東京家政大学附属女子中学校・高等学校
校長 渡邊 信子氏
| 百二十年の伝統を持つ本学園は『自主・自律』の精神の下に、意欲的な女性を育成してきました。人間形成の土台となる『生きる力』を大事に行事や授業を進めています」 こう語るのは、東京家政大学附属女子中学校高等学校(東京都板橋区)の渡邊信子校長だ。 同校は明治十四年、本郷・湯島に和洋裁縫伝習所として創立され、女性が職業として和洋裁を身につけ、自活することができるようにとの思いから出発した。この精神こそ、まさに「生きる力」であり、同校の教育のバックボーンとなっている。 「自然の中で生かされていることを学ぼう」(渡邊校長)と、学園内に「ビオトープ」をつくった。キャンパスには加賀百万石の下屋敷時代からの樹木が残っている。ここで百四十種類の野草や二十五種類の野鳥が共に生活をしており、学園全体がビオトープといった感じがする。この自然を使った授業や、樹木の優れた働きを調べる環境実験なども行っている。 毎年、一年生は長野県・白樺湖、二年生は福島県・裏磐梯に二泊三日の行事「五月の生活」を実施、大自然の中で人間の生きる原点に気づかせ、友人との肌の触れ合いの大切さを学ぶ行事として受け継がれている。 高校一年生の、二泊三日の、電気、ガス、ふろもない「菅沼キャンプ」(群馬県)は十五年以上続いている。生徒が自炊共同生活することで、貴重な体験学習の場となっている。 また渡邊校長は中学一年生と花壇の整備を一緒に行う。 「新入生は校内にある草木の観察や世話をします。教師や仲間との交流を深め、自然や生き物に対する畏敬の気持ちを育てます」 進学面での指導は今まで以上に重視する。同校では東京家政大学、同短期大学部へ進学するほかに、外部への大学進学者が増え約半々状況となっている。また、大学の附属校であるというメリットを生かした大学教員による授業が、高校三年生を対象に行われている。 「生徒あっての学校です。現場に学びたいので、生徒と触れ合う機会を多く持ちたいと考えています」と希望を語る。 いろいろな角度から検討するため、四月から教頭を六人にし、新時代に対応する。百二十周年を迎えることで、一つの節目を迎える。機能性を重視し、平成十四年度から五十年間変えなかった制服も新しくする。
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