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記事2001年12月13日 32号 (3面) 
学生生活指導担当者研修会
地域ニーズにこたえ多彩なコース 多様化社会での短大模索
日短協
 日本私立短期大学協会(川並弘昭会長=聖徳大学短期大学部理事長・学長)は十一月二十八日から三日間、大阪市淀川区の大阪ガーデンパレスで「平成十三年度学生生活指導担当者研修会」を開催した。今回は「多様化社会における短期大学のよりよい学生指導を模索する」がテーマ。研修会二日目には、三つの短期大学から事例発表が行われたほか、学生生活指導研究委員会の藤原耕三委員長(大阪女子学園短期大学学園長)が短期大学の当面する問題について報告した。

 藤原氏は中央教育審議会の審議動向について、パートタイム学生制度は議論の方向性として、創設の方向であるのは聞違いないようだと述べた。また、短期大学の「地域総合科学科」構想についても言及し、複数の学科を学問分野でなく、地域ニーズに応じた一つの学科に再編しようとするこの構想は、学科の中に多彩なコースを設けることによって、地域ニーズに応えることができ、一学科なので専任教員数も少なくてよいなどと指摘。この構想が実現することになれば、短期大学には大きなメリットとなる、とした。
 事例発表は鈴木匠・目白大学短期大学部学生課長、菊入哲夫・戸板女子短期大学就職進路課長、鬼頭昭次郎・名古屋短期大学学生課長がそれぞれ自校の事例を紹介した。鈴木氏は留学生の受け入れと生活指導について話し、受け入れに当たっては担当の部署にエキスパートを配置すること、国内入試では出願受け付けで書類が偽造でないかどうか確認を行うこと、現地入試は交流・提携校との信頼関係に基づいて行うことが必要だと指摘。留学生担当者には「だれのため、何のため」に行うかという原理原則を貫いた学生サービスを行うこと、「日本に来てよかった、この大学に入学してよかった」と言われる大学をつくろうという心構えが求められるとした。
 菊入氏は今年四月、東京・浅草で在学生が通り魔によって殺害された事件の対応に当たったことから、事件の教訓について話した。学生が事件・事故に遭遇した時は迅速な対応が必要だと指摘。実際に起きた時には、マスコミへの窓口は一つにして、できる限り好意的に対応すること、学生のプライバシーを考慮し、どこまでマスコミに明らかにするか事前に協議することを事件からの教訓として挙げた。また、年一回の防犯講習会を実施すべきだと述べ、今後は全学的な防犯対策に努めていくとした。常に地元の警察署と密なコミュニケーションを図っておくことも重要だと強調した。
 鬼頭氏は学生生活の活性化を図ろうと、学生たちで組織する委員会が年間を通して展開しているさまざまな行事、取り組みについて話した。平成十三年度における学生の課外活動団体加入率は七八・五%に達し、昨年度の学生生活満足度も八七・九%と高いことを紹介し、いかに学生に感動を与えられるか、学生一人ひとりに短大の構成員であるという自覚を持たせることが必要だと強調した。



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