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記事2001年12月13日 32号 (1面) 
大学学部設置規制を準則主義化に
総合規制改革会議が第一次答申
私立小・中学校設置促進
私学審見直しなど閣議決定へ
 教育など重点六分野等の規制改革策を検討していた総合規制改革会議(議長=宮内義彦・オリックス(株)代表取締役会長兼グループCEO)は、十二月十一日、小泉総理に『規制改革の推進に関する第一次答申』を提出した。教育分野では国公私立間の競争を促すよう、大幅な規制緩和策や国公立学校重視の公財政支出の見直し、厳正な評価システムの導入、保護者等の意見の反映等を提言している。今月中に答申を最大限尊重することを閣議で決定、提言内容は三月中に改訂という形で「規制改革推進三カ年計画」に盛り込まれる。
 
 教育分野に関しては、大学や学部の設置に係る事前規制を緩和し事後的チェック体制を整備するなど、一層競争的な環境を整備することを通じて、教育研究活動を活性化、質の向上を図る。初等中等教育に関しては、児童や生徒の能力・適性に応じた教育機会の提供を推進するため、評価制度の導入や情報発信の促進、新タイプの公立学校の導入の検討や私立学校の設置促進などにより多様化を進め、質の高い教育サービスを提供していくを改革の方向と位置づけている。
 そのうえで高等教育に関しては、▽大学・学部の設置規制の準則主義化(平成十四年度中に措置)▽校地面積基準や校地の一定比率自己所有規制の緩和を速やかに検討するとともに、財務情報の公開を一層促進していく(十四年度中に措置)▽工業(場)等制限区域及び準工業(場)等制限区域についての抑制的取り扱いの廃止(十四年度中に措置)など大胆な規制緩和策を打ち出している。
 その一方で、▽設置認可を受けたすべての大学に一定期間に一度、継続的な第三者による評価認定(アクレディテーション)を受けてその結果を公表すること等を義務付けるなど評価認証制度の導入(十四年度中に措置)など厳格な評価の実施を求めている。
 そのほか▽大学が廃止となる場合、学生のための適切なセーフティネットの整備の検討(十五年度中に措置)▽パートタイム学生制度の創設(十三年度中に措置)▽国公私を通じた競争的環境の中で切磋琢磨しながら発展できるよう競争的経費の拡充(高等教育に対する公的支援のあり方の見直し)等も提言している。
 一方、初等中等教育に関しては、▽コミュニティ・スクール導入のための法制度整備の検討(十五年度中に措置)▽コミュニティ・スクールのモデル校による実践研究(十四年度中に措置)、私学設置促進に関しては、▽小・中学校設置基準の明確化及び学校法人と私立学校の設置認可審査基準の要件緩和とその明確化(十三年度中に措置)▽私立学校審議会をより開かれたものにするため構成員・運営を含む私立学校審議会の在り方を検討するとともに、委員名簿や議事概要等については、各都道府県のホームページ等で公開を促進(十四年度中に措置)などとしている。
 また私立学校の設置促進に絡んで、「私立学校の参入を促進する観点から、公財政支出の見直しを図る中で、補助金配分に当たっては、児童生徒や保護者のニーズにこたえて優れた教育サービスを提供している私立学校を優遇する方向へ向けていくことも必要ではないか」と指摘している。
 そのほか公立学校における学校選択制度の導入推進、保護者や地域社会による学校運営参画の拡大などを提言している。

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