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記事2001年11月13日 29号 (2面) 
奨学金の大幅拡充
大阪府と(財)大阪府育英会が決定、14年度高1生から実施
各校の授業料+10万円が貸与額の上限
返済期間は卒後4〜15年に延長
 大阪府と財団法人大阪府育英会は十月二十九日、府育英会の奨学金について、来年度の新一年生から大学等の奨学金制度を廃止する一方で、高校の奨学金(無利子)を大幅に拡充するなどの制度改革を行うことを決めた。大阪府行財政計画の一環として行われる。
 大阪府は現在財政的に厳しい状況だが、そうした中でも教育の機会均等の保障とより自由な進路選択を重要と考え、制度の充実を決めたもの。制度改正により貸与金額はこれまでの一律単価から各学校の授業料に十万円(教科書代等その他教育費分)を加えた額(上限)にまで充実するなどが特徴だ。現在、「一律三十六万円」の貸与金額(私立高校・一般の場合)は、「三十五万二千円から八十八万円」(一万円単位で選択可能)へと二倍以上に引き上げられる。
 現行制度では私立高校の場合、奨学金だけで授業料をまかなうことはできず、反対に国公立(一般)は、授業料額を上回る状況となっていた。授業料軽減・減免制度適用者はその額を差し引いた額の貸与となる。
 また主たる学費負担者の所得で一般・特別の区分を廃止し、所得基準(標準四人世帯の総収入目安)を私立高校の場合、約一千百万円(住民税課税標準額で六百三十万円)、国公立の場合、約七百八十二万円(同三百六十二万円)と簡素化する。さらに所得基準の算定方法も住民税課税標準額(給与所得控除後の所得金額から所得控除額を引いた額)とし、分かりやすい基準とする。
 貸与時期は授業料軽減助成の時期を考慮して年三回に分けて振り込む。振り込み下限は公立で十万円、私立で二十万円。返済期間は貸与額に応じて卒業後四年から十五年以内(現行は卒業後十年以内)に延長。私立高校生で貸与金額が百八十万円の場合、返済額は月額一万円以上、返済期間十五年以内となる。

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