多摩大学（田村邦彦理事長）は、任期満了で退任するグレゴリー・クラーク学長の後任に中谷巌教授を昇格させることを決めた。中谷学長の就任は九月一日。
　中谷学長は一橋大学教授などを経て一昨年、同大教授に就任、それまでに経済戦略会議（総理の諮問機関）の委員などを務めたほか、現在はソニー（株）取締役、三和総合研究所理事長も務めている。
　同大学は中谷学長就任を機に日本における大学改革の主導的役割を担うべく、渋谷マークシティに「ユニバーシティ・ルネッサンスセンター」を設立するなどの新教育改革ビジョンを発表した。
　改革の柱は（１）ソニー（株）と協同で「四十歳代でグローバルに通用するＣＥＯ育成のためのプロジェクト」を立ち上げる（２）デジタルライブラリーを整備して将来のバーチャルユニバーシティ実現に向けた取り組みを開始（３）社会人のために「科目履修制度」を設け、働きながら数年かけてＭＢＡが取得できる制度を始める（４）理事長、学長、学部長などからなる大学戦略会議を設置し、迅速・的確に意思決定を行う（５）業績評価とそれに連動した処遇制度の導入に向け本格的な取り組みを開始する（６）「英語シャワー」の導入（７）学長主導によるイニシエーション授業の導入（８）暫定入学制度を来年春から実施（９）社会人大学院を「キャリア・デベロップメント」のためのＭＢＡコースに改組など。