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記事2001年10月23日 27号 (4面) 
情報教育・視聴覚教育研究会
プレゼンテーションの実習 廃棄物問題や健康が題材
東京私学研公開講座
 東京私学教育研究所(堀一郎所長)は十月十日、東京・六本木にある東洋英和女学院中学部高等部で情報教育・視聴覚教育研究会「プレゼンテーションの実習」公開授業を行った。
 公開授業では、同女学院の橋詰正治教諭が、選択科目(二十二人)として受講している高等部三年生を対象に「パワーポイントによるプレゼンテーション」授業を行った。
 一学期に行われた授業では、(1)オリエンテーション(2)日本語の入力・自己紹介文の作成(3)ワードによる同女学院百年史の入力(4)最寄り駅から自宅までの地図の作成(5)グループ分けによるプレゼンテーション(6)中間試験(実技テスト)(7)―(12)プレゼンテーション作成(資料など調べることも含む)・発表というもの。
 この日、生徒によるプレゼンテーションは、(1)廃棄物問題(リサイクルの必要性)(2)ダイエット(3)摂食障害(4)サプリメントで補う健康(5)毒きっ!(危険な食中毒)(6)高齢化社会についての発表。
 このうち、「廃棄物問題」は廃棄物問題の現状とリサイクルに焦点をあて、その解決法を探るという発表だった。生徒は二人一組になって十二人が、パワーポイントを使いながら解説、現在の排出物は五千百十万トンあり、この量は東京ドームの百三十七杯分に当たるという。こうした現状を踏まえ、生徒はReduce(使い捨ての製品はなるべく用いない)、Reuse(捨てる前に別の利用法がないか考える)、Recycle(積極的にリサイクルに参加する)の三つを提案し、「リサイクル商品を積極的に使うこと、行政や企業のリサイクルへの取り組みに協力すること、地域のリサイクル活動に積極的に参加すること」などの重要性を訴えた。
 また、「サプリメントで補う健康」の発表では、サプリメントの定義を食生活で不足しがちなビタミンやミネラルなどの栄養素を補うものと定義し、薬との成分の違い、選び方などを説明しながら、「通常の食生活が健康の基本であり、不足しがちな栄養素を補うというのが、サプリメントの正しい利用方法」とまとめた。
 生徒の発表はグラフや写真を効果的に取り込んだもので、橋詰教諭は「以前やった時よりも上手になっている。ほかの人のよい点をまねしてほしい」と生徒の発表を評価した。
 公開授業の後、研究討議に移り、橋詰教諭はパワーポイントの作り方は生徒たちにはほとんど説明していないこと、資料はほとんどインターネットから収集していること、などを報告した。そして、「時間がかかるので、あまり最初から完璧を目指さないようにやっている。年々いい授業をつくり上げていきたい。五年計画で授業を改善していく」と抱負を語った。



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