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記事2001年10月23日 27号 (3面) 
新校長インタビュー (37) ―― 文京女子大学中学校
校長 佐々木 賢氏
80分授業 実験、作業、実習中心
40分授業 基礎、基本の学力の定着


 「良いものは継続しながら、向上、発展させ、不備、不足なものは修正、改善していく」
 文京女子大学中学校(東京都文京区)の佐々木賢校長は、この基本的な考え方で教育を進めていこうと考えている。佐々木校長が生徒や教職員に常に話していることは、(1)自分のことは自分で処理できる(2)共生の意識や態度を身につける(3)社会の変化に対応できるこういう人間になるようにということだ。同校では今年度からさまざまな試みを始めた。その一つが「四十分・八十分授業制」の導入だ。
 「四十分授業は基礎基本をしっかり行い学力の定着を図ります。八十分授業は常に生徒が主体的に参加するような実験・作業・実習を中心に、学習することの楽しさを感じさせます」
 また、豊かな人間性を育てる課外活動や行事を重視しているが、特に土曜日は多くの自主学習と自主研究の講座を用意して、自分の興味・関心のある分野、得意な分野に打ち込めるようにと始め、九年になる。
 生徒会の活動の「クリーン・キャンペーン」も今年度から始まったものだ。毎朝通学する駅前を感謝の気持ちを込めて掃除しようという試みで、JR駒込駅、巣鴨駅を毎月一回掃除することにしている。
 また、防災センターや消防署を訪ね、防災に関する知識を学び、実技を通して訓練する。自分の命は自分で守る意識を育てようという狙いからだ。
 同校は校訓「誠実・勤勉・仁愛」の基に、心の教育を実践している。その表れとして、良い行いをした者に贈る「はなびら賞」と「さくら賞」がある。人がいやがる仕事を積極的に行ったり、自分の係以外の仕事を手伝って、ほかの人を助けたりした生徒には、「はなびら賞」が与えられる。「はなびら賞」の積み重ねで、一年に一度、「さくら賞」が与えられる。また、校訓の精神を実行した生徒には「富士賞」が贈られることになっている。
 同校では二学期制を導入しているが、後期からは情操教育を含めて、従来行ってきた教科外活動をもう一度見直し、校外学習をなるべく多く取り入れていく方針だ。
 「来年度からは各教科、これは何が何でもきちんと指導するということと、変化する社会に対応するために各教科として指導することを見直そうと思っています」と、佐々木校長の思いは膨らむ。

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