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記事2001年10月13日 26号 (2面) 
関短協が秋季総会
主体的に短大で学べる社会に&ス方会長
学生確保が最重要 深澤氏講演
 関東私立短期大学協会(平方昇一会長=明和学園短期大学理事長・学長)は十月五、六の両日、水戸市のホテルレイクビュー水戸で、平成十三年度秋季定期総会を開いた。総会では七月に行われた事務局長等研修会の成果が報告されるとともに、来年度の行事日程について協議した。その結果、十四年度春季定期総会は四月十五日、東京・市ヶ谷の私学会館で、秋季定期総会は十月七、八の両日、神奈川県で、事務局長等研修会は七月十八、十九の両日、千葉県での開催がそれぞれ決定した。
 今年度の事務局長等研修会については加盟校三十二校から五十人が参加して行われたことが報告された。平方会長は「胸襟を開いて積極的な意見交換が行われた」と総括した。協議事項終了後の「情報交換」では、平方会長が今後の短期大学の在り方について発言。日本の高学歴偏重主義、社会のモラトリアム化が若者の安易な四年制大学志向を招いているとの見方を示し「主体的に短期大学で学ぶことを選択できる社会をつくらなければならない」と述べた。
 このほか総会では深澤行雄・日本私立学校振興・共済事業団財務相談支援センター長、松井孝典・東京大学教授が講演。
 深澤氏は私立短期大学の入学志願状況、財政状況に関するデータを基に話した。入学志願状況に関しては今年度、入学定員充足率が九一・六%と前年度よりさらに低下したこと、充足率六〇%未満の短期大学が前年度比十三校増の七十八校となったことを挙げ、合格者の歩留まり率を上げることがカギだと指摘した。財政状況に関しては、平成十年度から流動資産の減少など総資産額の減少が見られ、一法人当たりの財政規模が年々縮小していることを指摘。平成七年度と十一年度との比較で消費収支差額がマイナス四四%と、大きな支出超過となっていることも明らかにした。「基本的に私学は自助努力しかない。経営や財政の安定を図るには、学生の確保が最重要課題だ」と述べ、あらゆる有効な学生募集活動を行うとともに、人件費・事務経費抑制に努めるべきだと述べた。
 松井氏は惑星物理学の第一人者で、「アストロバイオロジー」という新しい学問分野に取り組んでいる。地球を一つのシステムととらえると、人間圏は、新しい構成要素がシステムに付け加わったことになり、地球システムのモノやエネルギーの流れが変わると松井氏は指摘。「宇宙から文明・人間を俯瞰すれば、二十一世紀において人間圏の無制限な拡大が成り立たないことは自明だ」と述べた。



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