平成十三年度の政府予算案が昨年十二月二十四日の閣議で決まった。二十日の大蔵原案の段階では私立大学等、私立高校等の両経常費補助金とも前年度と同額の伸び率ゼロ査定だったが、私学関係者の政府、与党関係者への要望が実り、二十二日の大臣折衝の結果、私立大学等経常費補助金は対前年度七十二億円（二・三％）増の三千百四十二億五千万円、私立高等学校等経常費助成費補助金は対前年度六十二億円（七・二％）増の九百二十二億五千万円となった。高校等に関しては地方交付税による財源措置の行方が今後の焦点だ。
　私学関係の予算案をみると、私立大学等経常費補助金三千百四十二億五千万円のうち、一般補助は二千二百五十五億四千九百万円で前年度と同額、社会的要請の強い特色ある教育研究活動に対して交付される特別補助は八百八十七億百万円で補助金全体の二八・二％となった。特別補助の中では大学改革推進特別経費が対前年度二五・六％増、情報化推進特別経費が一〇・五％増と大きく伸びている。
　私立高等学校等経常費助成費補助金は初めての九百億円台到達で、私学関係者や文教関係議員らが当面の目標としている一千億円の実現にまた一歩近づいた。
　九百二十二億五千万円のうち八百四十一億八千六百万円が一般補助で、対前年度四十九億八百万円の増額、特別補助は対前年度十二億九千二百万円増の八十億六千四百万円で、その中では教育改革推進特別経費が対前年度六三・一％と、とりわけ大きな伸びを見せている。一般補助では、新規に「普通教室等の情報化」「きめ細かな学習指導の推進」「ＩＴ教育の推進」「ティーム保育の推進」に関する都道府県助成への補助が実現した。一方、特別補助の中の教育改革推進特別経費では新たに高校生の保育体験に関する都道府県助成への補助が認められたほか、預かり保育推進事業に関して補助対象の拡大、補助単価の増額、幼稚園の子育て支援活動の推進では補助対象の拡大、社会人講師の活用では補助単価の大幅増額（三万円↓三十万円）が図られている。施設設備関係の補助では、私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助が二百四億四千八百万円（対前年度四・三％増）、私立大学等研究設備等整備費補助が四十七億二千九百九十九万円（同一六・五％増）、私立高等学校等施設高機能化整備費補助が二十二億八千九百万円（同二・二％増）、私立高等学校等マルチメディア教育環境整備モデル事業が九億二千五百万円（同三七・〇％増）といずれも対前年度増額を実現した。ただし高校等の高機能化補助では、情報教室に限って新増改築が要求されていたが、実現には至らなかった。このほか日本私学教育研究所への補助金は十三年度も対前年度一〇％減額され、六千五百九十八万二千円となった。研修事業への影響は必至だ。