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記事2001年1月23日 2号 (1面) 
日短協 学生生活指導研
高校の生徒指導で事例発表
各短大から多くの実践例報告
 「特色ある短期大学のあり方とよりよい学生指導を模索する」をテーマに、日本私立短期大学協会(川並弘昭会長=聖徳大学短期大学部理事長・学長)はこのほど、名古屋市中区の名古屋ガーデンパレスを会場に「平成十二年度学生生活指導担当者研修会」を開催した。短期大学が入学希望者から「選ばれる時代」に入ったいま、多様な学生に対する教育や学生指導の在り方が問われている。研修会では高等学校における生徒の現状を踏まえ、いま求められている学生指導とは何かを探った。
 短大での学生指導にはいまの高校生の実態を把握する必要があるとして、研修会二日目には地元高校の生徒指導主事を招いて事例発表が行われた。発表者は、小野智彦・名古屋市立名古屋商業高校教諭、遠山敏和・愛知県立春日井西高校教諭、脇田良彦・東海学園高校教諭の三氏。小野氏は最近の高校生の特徴として、幼稚性と自己中心主義、「部活離れ」で帰宅しても何もしない生徒の増加を指摘。名古屋商高では家庭との連携を重視した生徒指導を行っているほか、各校との情報交換、月一回の繁華街での巡回指導などにも力を入れていると紹介した。遠山氏は春日井西高では、生活の基礎基本の指導、「顔の見える指導」と位置づけた校門での遅刻指導などに特に力を入れて取り組んでいると発表。脇田氏は東海学園高で宗教情操教育に現代的課題を重ねた総合学習科目「共生」を実施していること、名古屋市内の私立高等学校の教諭が集まって生徒指導上の問題点を協議する場をつくり、情報交換を行っていることなどを紹介した。
 こうした高校での生徒指導の現状を踏まえ、分科会研修では基本的生活習慣とマナーの付け方、課外活動の活性化対策などを話し合った。基本的生活習慣が身についていない学生の多さについては各短大が指摘。就職内定の決定いかんにかかわらず、授業の遅刻、欠席には厳格な姿勢で臨んでいる短大、高校さながらに正門前に教職員が立ち、相互にあいさつし合えるキャンパスづくりに努めている短大など、さまざまな実践例が紹介された。また、高校での「部活離れ」が短大における課外活動の低調さにもつながっており、分科会では各短大ともその活性化策に頭を悩ませている姿が明らかになった。しかし、課外活動の活性化を学内の活性化に結び付けようと、四大併設校では四大のクラブとの交流、クラブ・リーダー会の開催、学友会への援助など、ここでも現状打開に向けた多様な取り組みが報告された。
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