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記事2001年1月23日 2号 (1面) 
中高連が平成12年度調査報告書
奨学金特待生85%の私立高で実施
多様な能力・才能に援助


 全国の私立高校の八五・一%、私立中学では六二・五%の学校が学校独自の奨学金・特待生制度を設けていることなどが、一月十六日、日本私立中学高等学校連合会(堀越克明会長=堀越高校長)のまとめた「平成十二年度調査報告書」で明らかになった。
 同連合会の調べによると、奨学金・特待生制度の対象となっているのは(重複回答あり)、「入試の成績が優秀な生徒」(五三・六%)、「入学後の学業成績等が優秀」(四四・七%)といったように学業優秀者とする学校も多いものの、最も多かった(六一・七%)のは「一定の技能が優れている生徒」を対象としている学校で、私立高校が勉学に限らず、さまざまな分野で才能を発揮する生徒に援助の手を差し伸べていることなどが分かった。また経済上の理由(交通遺児等)で就学が困難な生徒への奨学金・特待生制度を設けていた高校も四〇・四%に上った。この調査報告書は毎年、全国の私立中学・高校の生徒数、学級数、入学状況、財務状況などを調べているもので、今年度は、例年の調査項目に加えて、ホームページの開設状況、学校建物面積、各校独自の奨学金・特待生制度などを調査した。
 奨学金・特待生制度では高校の場合、「教職員の子女」(二・七%)、「在学者の兄弟姉妹」(四・三%)、「卒業生の親族等」(一・一%)を対象としている高校もあり私立学校が学園の教育理念を理解している在学者や卒業生を大切にしている面が表われている。奨学金・特待生制度の内容に関しては(重複回答あり)、「入学金と授業料の全部又は一部を免除」との高校が五七・二%あり、最も多く、次いで「授業料の全部又は一部を支給」(三三・三%)が多かった。
 一方、私立中学では(重複回答あり)、経済上の理由で就学困難(含交通遺児等)な生徒を対象とした奨学金・特待生制度を設けている学校が五五・四%で最も多く、次いで「入試の成績が優秀な生徒」(四二・四%)、「入学後の学業成績等が優秀」(四一・四%)、「一定の技能が優れている」(二〇・八%)等だった。
 このほかインターネットのホームページの開設状況は、私立高校で六九・三%、私立中学で七〇・二%に上った。また私立中学、高校の学校建物(校舎・屋内運動場・寄宿舎)で、建築後三十年以上経過した老朽建物は、私立高校(全日制・定時制)で三一・一%、中学で二四・四%だった。建築後三十年以上との基準で調査を取り始めた平成九年以降、私立高校の老朽校舎は着実に減少している。
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