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記事2023年5月3日 2612号 (6面)
武蔵野美術大学の取り組み
市ヶ谷キャンパスにコワーキングスペース開設
従来の大学の枠にとらわれない拠点へ

 武蔵野美術大学(東京都小平市)は6月8日、同大学市ヶ谷キャンパス(東京都新宿区)7階に大学と社会をつなぐ新しい形のコワーキングスペースとして、「Musashino Art University Co−Creation Space −Ma−」(Ma)を開設する。キャンパス内でのコワーキングスペース開設は美術大学で初の試みとなるという。


 同大学市ヶ谷キャンパスでは、無印良品との共創実験店舗や、日本総合研究所との共同研究拠点の開設など、ポスト・コロナを見据えた新たな大学教育の場を目指し、大学と社会をつなぐ社会連携拠点機能を整備してきた。


 近年、社会で「常識を覆し、課題・問題そのものを見つける力」「問いを自ら立てることができる力」が強く求められている中、同大学をはじめとする美術大学では、これらの力を持ったクリエーティブ人材を数多く輩出し、専門分野だけでなく、企業、自治体、スタートアップなど、幅広い職業分野で活躍している。


 今回開設するMaでは、コワーキングスペースの運営に加え、若手のクリエーティブ人材のコミュニティーを形成することで、従来の大学の枠にとらわれない拠点となることを目指し、企業・自治体との共創の推進や、創造性リカレント教育の拡充に取り組んでいく。


 また、このコミュニティーをキャンパス中心に展開し、クリエーターとして活動できるフィールドの広さを同大学の学生や卒業生に伝えることで起業・創業支援、卒業生支援を行い、自身のキャリアプランを支える場とする。


 Maはスキルシェアや活動領域を拡張したいクリエーターの表現の場・社交場となることを提案し、コワーキングスペースとコミュニティー創出の二つの機能を持つ。


 コワーキングスペースとしては、キャンパス内のスタジオ利用など、さまざまな領域のクリエーターに合わせた環境を整備している。個人・法人は問わず(第1期の募集は個人会員のみ)、フリーデスク、個人ブース、会議室など多様な用途で利用できる。ドロップインまたは月額会費制のいずれかで利用可能。


 コミュニティー創出については、経験豊かなコーディネーターが常駐し、プロジェクトや起業・創業支援を行う。トップクリエーターやスタートアップ経営者等との交流イベントも定期的に開催する。持ち込みイベントや勉強会、利用者同士のコラボレーションなど、実験的なアイデアについても歓迎するとしている。


 ロゴデザインは、アートディレクターの小杉幸一氏(2004年同大学視覚伝達デザイン学科卒)、ネーミングは、クリエーティブディレクターの萩原幸也氏(2006年同大学デザイン情報学科卒)が手掛けた。


 コワーキングスペースは、建築家の織戸龍也氏(2011年同大学建築学科卒)が設計。6月のオープン後も入居者と共に「場」を考える取り組みを進める。


 また、コミュニティーのプランニングは、コミュニケーションデザイナーの河野奈保子氏(2005年同大学視覚伝達デザイン学科卒)が仕組みを構築し、同大学の若手卒業生がコンセプト設計から関わっている。


 入居の申し込み、募集要項など、詳細は「Ma」ウェブサイト(https://ma.musabi.ac.jp/)まで。


クリエーターの表現の場・社交場となることを提案(イメージ)


市ヶ谷キャンパス


Maのロゴデザイン

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