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記事2023年2月3日 2602号 (6面)
武蔵野大学の取り組み
2024年にメタバース空間上のキャンパス開設
学修者に合わせた教育サービス提供

 2024年に創立100周年を迎える学校法人武蔵野大学(東京都江東区・西東京市)は創立100周年記念事業プロジェクトの一つであるSmart Intelligence Campusプロジェクト(SIC)として武蔵野・有明・千代田に続く第4のキャンパスを、2024年にメタバース空間上に開設し、学修者に合わせた教育サービスの提供を目指している。


 武蔵野大学はAI時代を生き抜く学生への情報教育と教育改革を行うため、2019年にMUSIC(Musashino University Smart Intelligence Center)を設立し、AIと学生、教員が共存共栄して多様な学びに対応できるAIReadyUniversityとなることを宣言した。同年4月には国内私立大学初の「データサイエンス学部」を開設し、2020年4月からBYOD(Bring Your Own Device)キャンパスとして学生のPC必携を始め、全学生「AI」「データサイエンス」科目を必修化した。2021年にはAI科目をサブメジャー(副専攻)として選択履修できる「副専攻AI活用エキスパートコース」を設置するなど、常に大学教育の改革を進めている。


 SICは将来拡大する各種教育研究ニーズに対応できるメディア教育の創造を目的に2021年7月に始動した。2022年4月からメタバースキャンパス開設に向けてメタバース空間で各種トライアルを行い検証してきた。


 また、同年10月にはステークホルダー関係性醸成システム(Student Relationship Management、SRM)を組織的に活用している米国の2大学を訪問調査し、武蔵野大学でのスマートインテリジェンスキャンパスの在り方について、協議を重ねている。


 SICで進める取り組みとしては、(1)メタバースキャンパスの開設(2)MUデジタルラーニングサービスプラットフォームの構築(3)ワンストップAIコールセンターの設置(4)SRM導入(5)コミュニケーションツールの統一、ポータルの構築を挙げている。


  (1)では生徒、学生、社会人へのメディア教育の入り口となる交流の場として、多様なデバイスを使い、容易に、いつでもどこからでもメタバースキャンパスにアクセスできるようにする。アバターでメタバース空間を自由自在に動きながら、性別、国籍、年齢、立場を超越し、フラットに他の人と交流し、新たな人間関係を醸成できる。2024年の開設以降、武蔵野・有明・千代田の各キャンパスをメタバース上に再現し、将来的に物理キャンパスとメタバースキャンパスの併用も目指す。


 (2)については、同法人が保有するさまざまな動画コンテンツを管理し、いつでもどこからでも視聴可能なプラットフォームを構築する。将来的には、同法人の教育コンテンツの蓄積と相互利活用を進め、教員の授業負担を軽減し、多様化する学生・卒業生・社会人の学びのニーズに対応できる学習環境を構築する。


 (3)では、学生・生徒(保護者)からの問い合わせに関する満足度向上および応対負荷の軽減を目指す。


 (4)では、データの力を活用し、入学前・在学中・卒業後にわたり、縁を持った全員とより良い関係性の醸成を可能にする。まず、データの蓄積基盤を作る目的で、2024年に大学通信制の入学前段階を中心としてシステムを構築する。


 (5)では、2024年までに学内関係者の情報発信について運用方法を整理し、コミュニケーションツールの統一化を図る。利用規約を定めた上で学生・生徒間、また学生・生徒と教職員間のコミュニケーションが活性化できる環境を構築していく。


 SICの具体的な取り組みの詳細は同法人創立100周年記念事業サイト(https://100th.musashino-u.ac.jp/project_sic)で公開している。


メタバース空間の有明キャンパスのイメージ


メタバース空間のキャンパスから各サービスにつながる計画

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