こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



Pick up!

TOP >> Pick up!

記事2022年9月3日 2588号 (1面)
多摩大学の取り組み
「マチカドこども大学」のプレ講座を実施
横断的な思考と探究型の学び提供

 多摩大学(東京都多摩市)は6月18日から、小田急グループの小田急不動産梶i東京都渋谷区)との連携事業「マチカドこども大学」のプレ講座を実施している。4月14日に同大学、小田急電鉄、小田急不動産の3者間で締結した「連携協力に関する基本協定」に基づき、社会課題の解決や共創による価値創造に向けて産学連携で取り組んでいる。


 同事業は小田急多摩線の栗平駅前で小田急不動産が運営するコミュニティ施設「CAFE&SPACE L.D.K.」を拠点とし、小学生に講義やワークショップなどを通じて横断的な思考と探究型の学びを提供。地域に溶け込み、地域住民が気軽に参加できるスクールを目指している。企画運営には、同大学経営情報学部の長島剛ゼミ、樋笠尭士ゼミ、石川晴子ゼミが携わっている。


 同大学では、この活動を通じて、多摩キャンパスが所在するエリアのコミュニティの希薄化等の社会課題の研究・解決に取り組む。また、運営体制の構築から講師の担当まで幅広い場面で学生の参画機会を設けて問題解決力を育む。同社社員とのフィールドワークを通じた教育的効果も期待しているという。


 同社では、小田急沿線エリアへの愛着醸成や満足度の向上を目指していく中で、スクールを地域のにぎわいの創出や地域住民との接点などとして、積極的に活用する。


 2022年度はプレ開校期間として、子供の参加を募り、同大学の教員や学生による講義、ワークショップ等を約10講座開催する予定。2023年4月の本開校に向け、ニーズの調査や、認知の拡大などを進め、体制を整える。本開校後は周辺企業や地域住民の参画を促し、コンテンツを創出するなど、地域一体となった活動を推進する。


 2022年6月5日にはプレ開校に先立ち、小学生10人を招待して試行講座を実施。樋笠専任講師が「調査研究学」をテーマに研究の仕方や調べ方を教え、子供たちは活発に意見を交換した。


 6月18日に開かれた1回目のプレ講座は石川ゼミが担当した。国際文化学の分野で「クイズで知ろう!世界の生活」をテーマとし、受講した小学2〜3年生の7人は外国の文化や習慣、日本との違いなどをクイズ形式で学んだ。


 また、7月9日に「英語遊び学・英語ゲームと折り紙で遊ぼう!」(担当:石川ゼミ)、7月23日に「中国語で学ぶ経済学」(担当:長島ゼミ)、8月7日に「防犯学」(担当:樋笠ゼミ)、8月20日に「防災学」(担当:樋笠ゼミ)を開講した。


 受講した小学生からは「大学の授業を受けられて楽しかった」「学校ではできないことがいっぱいできた」、保護者からは「子供たちが自ら考えた答えを発言しており、楽しそうだった」「子供の目線で楽しくできる構成で良かった」といった感想が寄せられている。


 今後も同大学の教員、ゼミ生による子供たちの知的好奇心を高めるためのさまざまな分野の授業を行っていく。9月10日には「英語学・EnglishでShoppingにチャレンジ!」(担当:石川ゼミ)、9月17日には「交通学・自転車免許を取ろう!」(担当:樋笠ゼミ)を実施する予定になっている。


小田急不動産が運営するCAFE&SPACE L.D.K.


7月23日には「中国語で学ぶ経済学」を開講

記事の著作権はすべて全私学新聞運営委員会に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞