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記事2022年12月13日 2598号 (6面)
東京理科大学の取り組み
2023年度から理工学部を創域理工学部に改称
融合教育・連携研究を強化し新領域創造

 東京理科大学は2023年度から、野田キャンパス(千葉県野田市)の理工学部を「創域理工学部」に、大学院の理工学研究科を「創域理工学研究科」に名称変更する。新たな領域の創造と新たな価値の創出を行い、さらに地域を創るという「創域」の理念の下、未来を見据えた特色ある教育・研究の枠組みを作る。名称変更に伴い、理工学部の10学科のうち、7学科、理工学研究科の11専攻のうち8専攻も改称。理工学部・理工学研究科の特徴を明確にするとともに、一部の学科・専攻でも教育・研究内容と特徴をより明確に示し、実態に即した名称とする。


 一つの学問分野では解決できない問題が増え、学科や研究室などが融合し、教育内容を変化させていく必要性が高まる中、理工学部・理工学研究科では、新たな視点を加え、絶えず進化・深化し続ける教育を提供し、常に社会のニーズに合った人材を輩出してきた。


 理工学部・理工学研究科は2017年度から、大学院横断型コースと6年一貫教育コースをスタートし、学科や専攻、研究分野の壁を越えて連携・融合できる教育研究体系となった。


 大学院横断型コースは学科・専攻・研究室の枠を超え、企業で活躍する技術者や研究者も交えた融合・連携教育を行い、他の分野との融合、連携を経験することで俯瞰(ふかん)的視野を獲得して、イノベーションを実現し、高付加価値を持った成果を創出する。その結果、複眼的視野と幅広い科学的な知識によって各界でリーダーとして活躍できる人材を育成している。


 6年一貫教育コースは学部4年間と修士課程2年間を一貫した6年間と捉えることで、専門的研究能力を養い、教育、研究、進路でのさまざまな展開を可能にしている。


 創域理工学部・創域理工学研究科では、これまで推進してきた融合教育・連携研究を強化して各学科・専攻による「共響(きょうめい)」を促進することで新領域の創造を目指す。人材育成については一つの学問分野や領域で解決できない問題に対して、枠組みを超えて共創できる人材(横断型人材)豊かな教養に加え、理学と工学の基礎力、応用力を備え、それらを駆使できる行動力を持った人材(専門深化型人材)分野横断的に俯瞰した国際的な視点から共に響き合うことで、科学と技術の新しい領域を創域し、新たな価値を創造できる人材(創域型人材)のいずれの要素も兼ね備えた人材を輩出していく考え。


 2023年4月には、創域理工学研究科の下に社会とのつながりの窓口として「サステイナブルアーバンシティセンター」(CSUC)を開設。融合型研究の成果を発信するほか、地方自治体や産業界などとの関係を円滑に進め、実践的な地域貢献や社会貢献を行う。


 11月24日に野田キャンパスで開催された記者会見で、兵庫明常務理事は「教育研究の共響拠点、地域貢献の共響拠点の実現を目指す」と強調した。 伊藤浩行理工学部長・理工学研究科長は「融合教育・連携研究は進化し続けており、随時、新しい施策を検討して実現させていく」と話した。


 CSUCについて説明した堂脇清志理工学部副学部長は「大学院横断型コースの実績を踏まえ、創域理工学部・創域理工学研究科における創域文化の醸成を行う」と述べた。


兵庫常務理事


伊藤理工学部長


堂脇理工学部副学部長

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