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記事2022年11月13日 2595号 (4面)
昭和女子大学附属昭和中高が授業公開研究会
「知的好奇心を持った学習者の育成」テーマで
森朋子・桐蔭横浜大学長が基調講演
「なぜ」から始まる学習が必要
昭和女子大学附属昭和中学校・昭和高等学校(真下峯子校長、東京都世田谷区)は10月21日、同校で「知的好奇心を持った自立した学習者の育成」をテーマに「授業公開研究会」を開催した。この日は、基調講演、授業公開、関連講演等が行われた。
真下校長は開会に当たり「授業改革の一歩として授業を公開し情報交換したい。女子力を発揮していく。教職員が自立した学習者を育てることを目指す」とあいさつした。
【基調講演 森朋子・桐蔭横浜大学学長】
森学長は「私がより良く学ぶために学習のメカニズムと主体性について考える」と題し講演した。森学長は初めに、なぜ(Why)そうなるのかの問いが重要だと強調した。また、社会は「VUCA」(V:Volatility(変動性)、U:Uncertainty(不確実性)、C:Complexity(複雑性)、A:Ambiguity(曖昧性))の時代だとし、「働き手の意識が変化してきた。良いキャリアと良いライフを求めるようになった」と述べた。その上で、社会が必要とする力とは、「自ら考え、主体的に行動し、社会の変革を実現していく力だ」と指摘した。
また、学習が促進する条件として、森学長は「『なぜ』から始まる学習」(主体性)のほか、「自ら学習状況を俯瞰できる(メタ認知)」「自己肯定感を上げる(情意面の補強)」「学習に一定の時間をかける(学習時間の確保)」などを挙げた。「見えない力」は「失敗しても諦めない、粘り強くやる力で、これはトレーニングで身に付けることが可能だ」と述べた。
森学長は最後にまとめとして、「学習は主体的な行為であるから、『なぜ』から始まる学習が必要で、『〇〇やっていいですか?』を引き出すことが大事だ」「知識は使わないとすぐに忘れてしまうから、主体的・対話的で深い学び、アクティブラーニングが必要だ」「知識は累加よりも再構造化が大事で、知識は与えられるものではなく、自分自身でつくるものだ」「子どもたちはVUCAの時代に生きるから教師、保護者の経験を超えた指導やサポートが必要になる」などを挙げた。
基調講演後は、4限目と5限目を利用し各教科に分かれて公開授業が行われた。
「現代の国語」(単元:内田樹・働くことの意味)では、働くという言葉の意味と本質について理解を深めた。「「古典」(単元:古文を英訳してみよう)では、『徒然草』の冒頭を用い、自分なりの表現で口語訳を考えていた。「中学公民」(単元:景気)では、屋久島の景気を日本の景気と照らし合わせて考察した。「高校数学」(単元:図形と方程式 二つの円の交点を通る図形)では、図形の性質を方程式で表せることを論理的に考える授業だった。 |
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