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記事2021年8月13日 2553号 (6面)
玉川大学の取り組み
現職国会議員が学生へメッセージ
主権者教育シンポジウム開催

 玉川大学(東京都町田市)は7月14日、「玉川大学 現職国会議員による主権者教育シンポジウム来たる衆院選に向けて若い人達に何を訴える!?」を同大学内で開催した。与野党の国会議員が登壇し、同大学文学部・工学部の1年生を中心に約150人が参加した。なお大学生に加え玉川学園11・12年生(高校2・3年生)も参加対象となっていたが、緊急事態宣言が再び発出されたことに伴い学校側の判断で欠席となった。


 登壇したのは門博文氏(衆議院・自由民主党)、手塚仁雄氏(衆議院・立憲民主党)、佐々木さやか氏(参議院・公明党)、吉良佳子氏(参議院・日本共産党)の4人。進行は今年3月まで文部科学省で行われた「主権者教育推進会議」で座長を務めた同大学客員教授・政治解説者の篠原文也氏が務めた。2015年公布の改正公職選挙法により18歳選挙権が導入されて以来、同大学でも初年次教育の段階で主権者意識を高める教育を展開。10月に衆議院議員の任期が満了になり総選挙が行われる予定であることを踏まえ、今回のシンポが18〜19歳の学生がどのように政治に関わるかを考えるよい機会になるはずだとしている。


 冒頭で小原芳明・同大学学長が「政治というのは学校ではなかなか扱ってこなかった。主権者教育というのがどんなものかをこのシンポで学んで、正しい知識を持って選挙に臨めるようにしてほしい」とあいさつ。またシンポの中心テーマである「衆議院選挙に向けて若い人たちに何を訴えるか」について、各議員が意見を発表。それぞれ「アルバイトがなくなり、学費が払えないという学生も出てきている。パンデミックの中だからこそ新しい政治をつくる必要がある」(吉良氏)、「皆さんも社会に対して不平不満があると思うので、その感性を大切にしてほしい。そしてその不満を上の世代がどう考えているのか知るために世代間で対話を行ってほしい」(門氏)、「(公明)党のサイトで若い世代向けに子育て支援や学生支援などをテーマに取り上げている。若者の声を聞く『ユーストークミーティング』といったことも行っている」(佐々木氏)、「夫婦別姓問題はまだピンとこないかもしれないが、10年たてば結婚するかもしれず、大きな問題となるはずだ。必ず関わる問題なので一度考えてみてほしい」(手塚氏)と述べた。


 シンポ終了時には質疑応答の時間が設けられ、学生からは「コロナ対応の政策がうまくいっているとは思えない。それは今の政権に問題があるのか、それとも他の政党の政権だったらうまくいったのか」「固定住所がないホームレスにもコロナワクチンが接種できるようにするにはどうしたらよいか」といった現状の問題についての質問が多く出され、それらに議員が答えていた。終了後、学生からは「専門用語が飛び交う堅苦しい会になると思っていたが、現在の問題や課題を分かりやすく話していただいた。自分自身でも調べようと思ったと同時に政治にも関心が持てるようになった」などといった声があった


左から篠原氏、門氏、手塚氏、佐々木氏、吉良氏(玉川大学提供)


学生からの現状の問題についての質問にも答えた(同)

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