中教審第122回法科大学院等特別委開催

法科大学院在学中の司法試験受験者合格率は52・66%

「加算プログラム」を見直しへ

文部科学省の中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会(座長=松下淳一・学習院大学法学部教授)は昨年12月12日、オンラインで第122回特別委員会を開催した。

この日は、(1)法務省大臣官房司法法制部司法法制課から令和7年司法試験結果が、文科省高等教育局専門教育課専門職大学院室から、法科大学院の志願者の動向や特に深刻な課題を抱える法科大学院の自主的・自律的見直しを早急に促す観点から平成24年に導入した「公的支援見直し強化・加算プログラム」の成果や課題等が説明された。続いて(2)法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムの今後の在り方、(3)地方の法科大学院と法曹の地方定着について意見交換が行われ、終盤に大学分科会内で進行中の(4)新たな評価制度に関する議論、(5)学部・研究科の連続性に配慮した教育課程編成の促進について説明が行われた。

このうち令和7年度司法試験結果(昨年11月12日に最終合否発表)に関しては、3837人が受験(前年比58人増)、合格者数は1581人(同11人減)で目標とする1500人台を達成、合格率は41・20%(前年比0・93ポイント減)だったこと。このうち法科大学院修了者については、2013人が司法試験を受験、合格者は441人、合格率は21・91%。法科大学院在学中受験資格者については1352人が受験、うち712人が合格(合格率52・66%)していて、在学中受験者の89・32%が学部段階に法学を学んだ既修者だったこと、法科大学院経由者全体の合格率は約34・3%だったこと、法科大学院を経ず、予備試験合格による受験資格者は472人で、うち428人が司法試験に合格していたこと、合格率は90・68%だったことなどが説明された。

ロースクール別の司法試験合格者数トップ5は、早稲田大学ロースクールが150人、京都大学ロースクールが128人、慶應義塾大学ロースクールが118人、東京大学ロースクールが116人、中央大学ロースクールが77人で、5校中4校が首都圏に位置するロースクールだった。

また文科省から、かつて74校(平成17年)あった法科大学院は令和7年には34校となったが、一番志願者数が少なかった平成30年と比べ約2倍弱に拡大、法科大学院に入る際の競争倍率は令和7年度で3・52倍に上り、文科省は「非常に選抜機能が働いている数字」と評価、法科大学院修了後5年目までの累積の司法試験合格率は74・1%となり「改善されている」など加算プログラムの成果を説明。一方で全体の3分の2の大学院で支援額がマイナスとなり、3分の1の大学院ではそのマイナス分がプラス分として加算され、評価結果が固定化していること、事務負担の軽減や国際化・デジタルへの対応、地域の法曹人材育成支援も重要なことなどを報告した。

こうした法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムの今後については、特別委員会委員から、「令和10年度までの現在のプログラムの完成年度を待たず、加算プログラムを廃止することが適切」「元の制度に戻す、新しいものに移行するといったことを考えていく必要がある」「役割は終わった」「蛇が自らの尻尾を食べるような形の資金配分を維持し続けるのは、配分の対象となる資金が減少し続けるという意味で持続可能ではない」「プラスサムの枠組みの検討に賛成」「実務法務人材を増やすこと自体が産業界の競争力を高める。その場合、司法試験合格が必須条件ではない場合がほとんど」など、発言者のほぼ全員から現在の見直し強化・加算プログラムを廃止ないし見直し、新しく適切な手法等を別途検討する必要があるとの意見が出された。

今後の在り方については文科省から、「基盤的経費にメリハリを付け、大学の財政を不安定な状況に置き続けることは避けるべきだ」「法科大学院の機能強化に資するような推進方策は別途検討する必要がある」などの観点が示された。