日本成長戦略会議人材育成分科会始動

今月、初会合を開催

高校、高等教育改革等を審議

昨年11月に発足した高市内閣の日本成長戦略会議(議長=高市早苗総理)の初会合が昨年11月10日に、第2回会議は昨年12月24日に開かれ、成長戦略の検討体制、分野横断的課題への対応の方向性等が話し合われた。

AI・半導体や造船、量子、デジタル・サイバーセキュリティ、創薬・先端医療、防衛産業など17の戦略分野で官民連携により危機管理投資・成長投資を促進していく。それと並行して分野横断的課題への対応として8つの分科会等が設置された。

教育に最も関係するのが「人材育成分科会」で、分科会長は松本洋平・文部科学大臣。構成員は文部科学副大臣、文部科学大臣政務官、同事務次官、関係局長のほか、大竹尚登・東京科学大学理事長、加藤百合子・(株)エムスクエア・ラボ代表取締役、佐藤綾野・青山学院大学法学部ヒューマンライツ学科教授、平松浩樹・富士通(株)取締役執行役員専務CHROの4人。加えてテーマに応じて内閣府、総務省、厚生労働省、経済産業省も参加する。さらに検討事項に応じて学識経験者等が議論に加わる。

まず初めに議論されるのが高校教育改革・高等教育改革で、後藤理恵・愛媛大学社会共創学部教授と田中沙弥果・(特非)Waffle理事長が議論に参加する。

昨年12月の第2回日本成長戦略会議の資料によると、人材育成を巡る現状と課題については、2040年にかけてホワイトカラーが余剰となる一方、理工・デジタル系人材やエッセンシャルワーカーの不足が見込まれており、現状、高校生の半数は普通科文系、大学生の半数は人文・社会科学系で、将来見込まれる人材需要とのミスマッチが生じていること、産業構造の変化を踏まえた人材の戦略的育成が必要というのが基本的認識。

文科省では昨年11月11日に大臣の下に「人材育成システム改革推進タスクフォース」を設置、高校から大学・大学院までを通した人材育成システム改革(高校教育改革、大学教育改革、科学技術人材、リ・スキリング等)について検討を進めていて、昨年11月28日には「高校教育改革グランドデザイン(仮称)」骨子を策定・公表、関係団体から意見を聴取、同時期に進められた政府の令和7年度補正予算案では、都道府県において改革を先導するパイロットケースを創出する高等学校教育改革促進基金(2950億円)や、成長分野転換基金への積み増し(成長分野への学部転換等や公立高専の設置促進)に既存分と合わせて1000億円規模を確保。さらに大学と産業界が連携し、研究開発・人材育成を実施する産業・科学技術人材事業(基金)に270億円の予算を確保した。

昨年12月23日に行われた文科省の第2回タスクフォースでは、日本私立中学高等学校連合会から教育の質の向上策や公私の教育費比較等について意見を聴取している。

日本成長戦略会議の人材育成分科会では令和8年1月26日に第1回会合を開く予定。まずは高校教育改革・高等教育改革の検討を始め、「高校教育改革グランドデザイン(仮称)」を令和7年度内に取りまとめ・公表する予定で、都道府県における「高等学校教育改革実行計画」の策定、安定財源の確保を前提とした「高等学校教育改革交付金(仮称)を創設し、令和9年度から運用する方針。

また産業構造の変化を踏まえた高等教育改革の方向性の検討を令和8年夏まで行い、理工農・デジタル分野の人材育成、文理分断からの脱却・理数的素養を身に付けられる教育への質的改善、地域の高等教育へのアクセス確保を進める。

続いてリ・スキリング・実践的な職業人材育成、科学技術人材・その他強い経済の基盤となる人材育成等の審議も進めつつ、今年4~5月に「人材育成改革ビジョン(仮称)」(案)の検討・取りまとめを予定している。

このうち大学等のリ・スキリングプログラムの充実施策や、専門学校における職業人材育成方針等を今年夏までに行い計画で、同時期までに新技術の研究および社会実装を担う人材育成のための施策の検討、産業イノベーションを牽引する研究大学群や国立研究開発法人の機能強化も検討、議論を取りまとめる予定。