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記事2016年5月13日 2374号 (1面) 
理工系人材育成産学官円卓会議
行動計画に盛り込むアクションプラン検討
理系科目教員の学び直し講座開講も

「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」(座長=内山田竹志・トヨタ自動車株式会社会長)の第8回会合が5月6日、経済産業省本館で開かれ、「理工系人材育成に関する産学官行動計画骨子案」と同計画に盛り込むべき取り組みについて討議した。この会議は、政府の「理工系人材育成戦略」を踏まえ、昨年5月に設置され、産業界、大学等、経済産業省、文部科学省から計12人の委員が出て、(1)産業界の将来的な人材ニーズを踏まえた大学等における教育の充実方策(2)企業での博士号取得者の活躍の促進方策(3)初等中等教育等での産業を体感する取り組みの充実方策等の行動計画を検討している。第8回会議では、「理工系人材育成に関する産学官行動計画」に盛り込むアクションプランを中心に検討した。アクションプランは短期的対応(2、3年以内)と中長期対応で構成され、短期的対応は政府、教育機関、産業界の三者がそれぞれ取り組むべき行動計画が記載されている。このうち産業界のニーズの実態に係る調査の実施、継続的な人材需要の状況に係るフォローアップの実施に関しては、政府は、円卓会議の下に人材需要ワーキンググループを設け年度末までに調査・分析、議論を行い、理工系人材の質的充実・量的確保に向けた対応策を検討。教育機関は理工系大学関係者による連絡組織を大学関係団体等の協力を得て設立、中長期人材需要予測について産業界と定期的に意見交換する機会を設ける。産業界は学生が大学等で修得することが必要と考える能力・専門知識の明示など、大学や学生等に情報発信を強化する。  また産学連携による博士人材の育成の充実に関しては、政府は学生が産学共同研究に本格的に参加できるよう、「大学における秘密情報の保護ハンドブック」を作成。教育機関は労働時間に見合う給与の支給、産業界は大学への投資を今後10年間で3倍に増やすことを目指し、個々の博士人材の能力を見極めた上で、博士人材の採用・配置・処遇等の見直しに係る検討を進めるとしている(いずれも短期的対応)。理工系人材の裾野拡大、初等中等教育の充実に関しては、教育機関は初中教育の理系科目教員を対象に学び直し講座開講を検討、産業界は出前授業や教材開発等を一層推進などとしている。こうした行動計画案に委員からは確実な実行のための取り組みの必要性や、教員の魅力が子供を理科好きにするとして教員の学び直しの重要性を指摘する意見などが聞かれた。  このほか経産省が実施した産業界の人材(技術系・非技術系)の学習ニーズに係る業種別詳細分析結果も報告された。

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