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記事2010年9月23日 2182号 (4面) 
低炭素社会実現に取り組む私学E
桜美林大学
リベラルアーツ学群環境学専攻プログラム 都のECO‐TOPプログラムに認定
自然環境保全のためのジェネラリスト養成
桜美林大学(佐藤東洋土学長、東京・町田市)の学士課程、リベラルアーツ学群環境学専攻プログラムが、二〇一〇年、東京都のECO‐TOPプログラムに認定された。このプログラムは自然環境保全のためのジェネラリストを養成することを目的としており、認定を受けるには横断的な科目の設置が必要だ。リベラルアーツ学群(LA学群)環境学専攻は、認定に際してエコトッププログラムの精神に合致していると高く評価された。
 桜美林大学のリベラルアーツ学群は二〇〇七年に改組により設置された。現在、一年生から四年生まで約四千四百人が学ぶ。このなかに置かれている三十七の専攻プログラムのうちの一つが環境学専攻プログラムである。リベラルアーツ学群の特徴の一つが、学生が主専攻のほかに興味ある他の分野を副専攻として学んだり(メジャー・マイナー)、二つの主専攻を学んだり(ダブルメジャー)することができる、柔軟な仕組みであることだ。
 環境学専攻プログラムには、文系・理系の両分野から多彩な科目が開講されている。ECO‐TOPプログラム認定申請にあたっては、他専攻の科目も加え、さらに幅広い領域を学べるようにした。必修科目は、「環境科学総論」「環境科学総合演習」「野外安全管理」「環境法学」など。
 選択科目のうちカリキュラムの導入科目としては「ヒトの生物学」「環境の化学」「地域と環境政策」など。自然科学分野では「動物学」「植物学」「自然環境調査法」「地球規模環境論」「水と環境」など。社会科学分野では「環境ビジネス論」「観光地域と観光開発」「国際協力論」「環境NPO・NGO」など。「環境NPO・NGO」の教員には、国際協力活動を実際に行っている人に来てもらった。
 選択必修となっているのが人文科学分野の「環境倫理学」「オーラルコミュニケーション」「集団コミュニケーション」など。コミュニケーションを選択必修としたのは、環境問題はしばしば意見の対立が起こるため、意見をすり合わせていく方法を学んでもらいたいとの考えからだ。
 フィールドワークは各教員のゼミでも活発に行われている。生物学のゼミでは、山中で虫の採集も行う。ある女子学生は英語が主専攻だが、生物が好きでゼミは生物学をとり、就職は銀行を希望しているそうだ。学生はかなり自由に科目を選んでいる。そのため、思考の違う学生が集まり、ディスカッションの中で新しいアイデアが出てくることもあり、学生同士で刺激し合い勉強になるという。このほか、キャンパスエコマップの作成や屋上菜園でのサツマイモ栽培、近隣の河川敷のゴミ拾いなどを実施した。
 今年度からECO‐TOPプログラム専用科目として、自然環境保全を目的とした「インターンシップ」(必修)が設置された。年度末には、行政・民間企業・市民団体で合わせて二十日間実施する。
 桜美林大学全体の実習科目として実施されているのが国際研修プログラムである。そのうち環境学専攻の学生の参加が多いのはフィリピン研修だ。このプログラムではフィリピンの環境NGOと、スラムやストリートチルドレン、ゴミ山の問題などボランティア活動を交えて訪問交流し、体験を通じて学ぶ。
 環境をテーマにサークル活動しているのが環境プロジェクトチーム「ASiA WiND RiNG」。モンゴルの留学生から同国では大気汚染が進んでいると聞いたことをきっかけに、モンゴルに風力発電用の風車を贈っている。二〇〇六年、首都ウランバートル郊外にある全寮制民間学校アッチラルに「さくらかぜ2号」「さくらかぜ3号」(太陽光発電とのハイブリッド型)を贈ったのが最初だ。現在メンバーは十人、今年九月にも新モンゴル高校へ「さくらかぜ8号」を建設に行った。ちなみに「さくらかぜ1号」は桜美林大学町田キャンパスに立っている。
 片谷教孝教授(環境化学)は、「学生たちは、途上国へ行くと、お金だけではない豊かさがたくさんあるということを学んでくる。その教育効果は大きい」と話す。桜美林大学の海外提携校は二十二カ国・地域九十五校六機構(二〇一〇年九月一日現在)に及ぶ。環境分野での海外大学・研究機関との提携・協力も始めつつある。


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