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記事2010年12月23日 2191号 (4面) 
低炭素社会実現に取り組む私学G
千葉商科大学
学生と協働し環境活動推進
節減できた電気代、一部学生に還元
 環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証は、学生の提案から始まった。キックオフミーティングが開催されたのが二〇〇二年四月。ISO14001を千葉商科大学(島田晴雄学長、千葉県市川市)が取得したのは二〇〇三年三月だった。
 このとき同時に発足したのが環境ISO学生会議である。以前から環境保全に取り組んでいた同大学は、これを契機に学生と協働しながら環境活動を進めてきた。会議メンバーのうち環境教育活動をするのが学生環境インストラクター。毎年、新入生オリエンテーションでは、彼らがISO14001について説明を行っている。また、市川市と連携して、独自に開発した環境教育プログラム「小学校版環境ISO」「ミニ地球・ソーラークッキング」を携え近隣の小中学校で出前授業もする。ミニ地球などを実際に作る体験型授業が好評だ。
 同会議のメンバーは千葉県環境基本計画策定委員会や市川市環境市民会議にも参加した。全国環境ISO学生大会や環境シンポジウムへの出席、エコプロダクツ展への出展、他大学とも環境をテーマに交流。学内の学生に対する環境意識調査など、活動は内外に拡大している。在学生全員に配布しているのが「千葉学園環境カード」。カードの中で、自分が取り組む環境保全活動を宣言・署名してもらっている。
 学生の環境活動の中から生まれたのがオリジナルのトイレットペーパーである。業者が回収する資源ゴミの古紙がほんとうにリサイクルされているかを、学生が追跡調査したことがきっかけで作られた。包装のデザインも学内公募で決まった。このトイレットペーパー誕生から五年、今も学内のトイレで使われている。最近、作り方を教えてと、問い合わせが舞い込むようになった。
 活発な環境保全の取り組みが二〇〇五年度文部科学省の特色GPに「大学の社会的責任としての環境教育の取り組み」として採択された。このときは、環境シンポジウムの開催や、韓国・ソウルの清渓川の復元事業の視察・調査、極東ロシアのタイガのリポート、中国上海における環境教育についての報告を発行した。
 授業でも環境関連科目を数多く設置。一般企業・市役所・環境NGOなどへのインターンシップも実施している。環境関連科目の履修者は増加傾向だ。
 キャンパスにも環境保全のための多様な仕掛けがある。豊かな緑を構成する樹木。雨水が地中に浸透するインターロッキングブロックの歩道。
 二〇〇五年に完成した一号館は、先進的なエコシステムを取り入れた。建物の地下には雨水貯水槽を備え、その雨水は濾過してトイレに使用。トップライトとハイサイドライトから入る自然光で、照明に使う電力を抑えている。建物自体も自然換気ができる構造だ。屋根にはソーラーパネルを設置。わずかだが風力発電もしており、得られた電力はジュース販売機に使っている。
 これらの取り組みによって、二〇〇七年のCO2排出量は二〇六六tとなった。十年前の一九九七年の二九〇一tと比べると大幅な減少だ。一九九〇年と比べても排出量は低い。
 一般の学生たちにも、例えば隣接階まではエレベーターの使用を控える、教室の最終退出者が消灯するなどで活動に積極的に参加してもらう。節減できた電気代等の一部は、学生に環境活動資金として還元される。これは大学と環境ISO学生会議とのESCO契約によるものだ。こうした契約は日本の大学の中では珍しい試みだ。
 環境保護活動だけではない。一号館正面ドア横に置かれた透明の大きな箱。中は、ペットボトルのキャップでいっぱいだ。これをリサイクルして開発途上国へワクチンを贈っている。
 学生主導で環境保全と社会貢献を同時に実践し、環境教育に取り組む千葉商科大学。今後、さらに取り組みを進化させたいとしている。
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