中央教育審議会は八月五日、「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」など三つの高等教育関係の答申を取りまとめたが、大学分科会では今後、高等教育のグランドデザインについて審議していく。 　高等教育のグランドデザインについては、四月に開かれた中教審と科学技術・学術審議会合同の大学改革連絡会で「今後の高等教育の展望および高等教育政策について」と題する案が示された。同案によると、グランドデザインの性格は（１）わが国の高等教育の将来像および高等教育改革の方向性を明示（２）（１）を踏まえた高等教育政策の在り方や国の役割を明示するもの。グランドデザインの内容は、今後の高等教育の在り方、今後の高等教育政策の在り方と高等教育財政の二本立て。今後の高等教育の在り方については▽国際競争力のある高等教育機関として世界水準の教育研究の展開▽各高等教育機関が個性輝く機関としての多様な教育研究を展開▽多様な学習ニーズへの対応▽社会・経済の発展に対する積極的貢献の四点が示されている。 　将来構想部会では少子化などの動向を踏まえた高等教育の全体規模、地域配置、学問分野のバランス、留学生や社会人など学生の多様化についての展望などを審議する予定。制度部会では、学位の在り方を含め、短期大学・高等専門学校の在り方について、助教授・助手の位置づけをはじめ教育研究の活性化に資する教員組織の在り方などを、大学院部会では大学院の在り方、学部と大学院の役割と修業年限の在り方などをそれぞれ審議する予定となっている。 　大学改革連絡会は、今後の高等教育の展望と高等教育政策および大学の構造改革の進ちょく状況について話し合う。